フランス・ロレーヌ地方の司教、モンモランシー・ラバルが、国王のルイ15世に
「国内にガラス工場の設立を認めてほしい」
という請願状を送ったことから、ロレーヌ地方の南部にあるバカラ村に工場が建てられたことが「バカラ」の
はじまり。
村には深い森と清流があり、窯に必要な薪を供給できる豊富な森林、工場のエネルギー源となる河川の水力
といった、ガラス製造に必要な条件に恵まれていたそうです。
ガラス工場は1789年のフランス革命の影響で一時、経営困難な状態に陥りますが、1816年に、若き実業家、
エメ=ガブリエル・ダルティーグが買収。
クリスタル工場へと変身させ、高級クリスタルの製造がスタートしました。
20世紀に入り、若手デザイナー、ジョルジュ・シュヴァリエが、アール・デコの美しく洗練されたラインを取り
入れ、今に続く、動物彫刻の作品を制作し、クリスタルアートの新しい分野を確立。
以後、「最良の素材、最高の技術、そしてそれを受け継ぐこと」をモットーに、「王者のクリスタル」と呼ばれる
ようになりました。バカラのクリスタルが一つの形となるまでには50‐60の過程を経て、その中にはフランスで
最優秀の職人のみに与えられるM.O.F.の称号を持つものも含まれるそう。
バカラのクリスタルガラスは、酸化鉛30%を含んでおり、この成分がどこにもない見事な透明度・輝きを引き
出しています。職人の手で作られ、更に幾度も厳選された完璧な物のみを世に送る、長い歴史の中で培われ
た誇りを今に残しています。
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